テリトリー争い、その後|兄犬・マグと弟犬・ペニー、兄弟になるまで

前回の記事で、弟犬・ペニーが我が家にやってきた日のことを書きました。

道中の大騒ぎ、そしてマグの「テリトリー宣言」——なかなか前途多難なスタートでした。

今回は、その続きです。あの緊張感のある日々から、2頭が今のような関係になるまで、どんなふうに変わっていったのか。振り返って書いてみたいと思います。

7キロ対2.4キロ、圧倒的なサイズ差

ペニーが来た当初、まず歴然としていたのが、2頭の体の大きさの違いでした。

兄犬・マグは約7キロ。
弟犬・ペニーは、なんと約2.4キロ。

ほぼ3倍近い差です。

子犬のペニーが、堂々たる体格のマグにちょこちょことちょっかいをかけにいく姿は、見ているこちらが「だ、大丈夫……?」とハラハラするほどでした。

ところが、マグの方はというと——案外、へっちゃらでした。

ペニーがどれだけ飛びかかってきても、噛みついてきても、マグからすれば「子猫がじゃれてきた」程度の感覚だったのかもしれません。迷惑そうな顔はするものの、本気で怒ることはなく、どこか余裕すら感じられました。

このサイズ差が、結果的には良かったのかもしれません。マグにとってペニーは「脅威」ではなく、「ちょっと面倒な小さいやつ」くらいの存在だったのでしょう。

きっかけもなく、自然と

「2頭が仲良くなったきっかけは?」とよく聞かれそうなのですが、実のところ、特別な転機というものはありませんでした。

劇的な仲直りエピソードがあったわけでも、何かの拍子に急に打ち解けたわけでもなく——本当に、ただ、日々を重ねるうちに、自然と慣れていったのです。

最初は迷惑そうにしていたマグも、毎日ペニーがそばにいる生活が当たり前になり。ペニーも、マグという存在が日常の一部になり。

気づけば、ワンプロ(犬同士のプロレスごっこ)は毎日の日課になっていました。

たいていはペニーの方から「遊ぼうよ!」と仕掛けていきます。マグは「やれやれ」という顔をしながらも、ちゃんと相手をしてあげる。その繰り返しが、毎日、本当に毎日続いています。

それぞれの「寝る場所」

2頭の距離感がよく表れているのが、寝る場所です。

兄犬・マグは、以前から自分専用のキャリーの中で寝るのがお気に入りです。あの、第8回でも書いた「テリトリー宣言」の象徴だったキャリーですね。今でもそこがマグの落ち着く場所です。

……とはいえ、時々ペニーに侵入されているのですが(笑)。そんなときもマグは、もう諦めたように受け入れている様子。これも関係の変化のひとつかもしれません。

一方、弟犬・ペニーはというと、最初の頃はケージの中で寝ていました。でも今では、ケージにこだわらず、廊下の隅っこなど、その時々で「ここが居心地いいな」と思った場所で自由に寝ています。

別々の場所で、それぞれ好きなように眠る——。ベタベタくっついて寝るタイプではないけれど、同じ家の中で、それぞれが安心して過ごせている。そんな関係です。

「あ、気を許したのかも」と感じた瞬間

仲良くなった瞬間、と言えるかどうかは分かりません。

でも、私が「あ、ペニーはマグに気を許しているんだな」と感じた場面があります。

それは——ペニーがマグを遊びに誘ったとき、自分からへそ天(おなかを見せて仰向けになること)をしたときでした。

ご存知の方も多いと思いますが、犬がお腹を見せるというのは、相手に対して「敵意がないよ」「信頼しているよ」というサインだと言われています。

ペニーがどういう心境だったのか、本当のところは分かりません。でも、あの無防備にころんとお腹を見せた姿を見たとき、「ああ、この子はマグのことを、ちゃんと信頼しているんだな」と、なんだか胸が温かくなりました。

まるで、人間の兄弟みたいに

今の2頭を見ていると、つくづく「人間の兄と弟みたいだなぁ」と思います。

弟のペニーは、お兄ちゃんのマグにちょっかいをかけたくて仕方がない。かまってほしくて、遊んでほしくて、しつこく絡んでいく。

お兄ちゃんのマグは、「もう、しょうがないなぁ」という顔をしながらも、ちゃんと付き合ってあげる。普段はクールで塩対応なのに、なんだかんだで弟の相手をしてしまう。

ベッタリ仲良し、というわけではありません。マグの塩対応は今も健在です(笑)。でも、お互いがお互いの存在を気にしていて、いないと寂しい——そんな、絶妙な距離感の兄弟関係が、我が家にはあります。

サイズも、性格も、何もかも正反対の2頭。でも、だからこそ、ちょうど良いバランスが取れているのかもしれません。

おわりに

今回は、テリトリー争いのその後——兄犬・マグと弟犬・ペニーが、どんなふうに今の関係になっていったかを書かせていただきました。

特別なきっかけはなくても、毎日を一緒に積み重ねていくうちに、ちゃんと「家族」になっていく。2頭を見ていると、そんな当たり前で、でも有り難いことを、しみじみと感じます。

これからも、この賑やかな兄弟の日常を、少しずつ綴っていけたらと思っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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